7つの習慣


自分の人生を充実させ、成功と幸せを得る方法を説いた『7つの習慣』は、1989年の発行以来、数多くの支持者を得て、世界30カ国以上で2000万部以上も売れる大ヒットとなった。

その著者であるスティーブン・R・コヴィー氏は、「自分の人格を育てる習慣を続けること。すべての成功はそこから始まる」「人には誰にでも天命がある。正しく自分を磨くことで、内なる〝声〟がそれを教えてくれる」と言っています。さあ、われわれはこの『7つの習慣』を理解すべく見ていきましょう。


5-3.第8の習慣/ボイスを発見する③・・・〝声〟に従う生き方で周囲を奮い立たせる

 

「原則に沿った信頼感ある行動の模範になることによって、声高に要求しなくても信頼を得ることができる。方向性を示すことにより、強要しなくても秩序が生まれる」  -「エンパワーメントするボイス」P.367-

 

☆「模範を示す」ことがリーダーシップの真髄
 「世界を変革するためには、まず自分自身が変わらないといけない」
 インド独立の父、マハトカ・ガンジーが遺した言葉だ。これは会社などの組織についても同じ。組織に不満があって何かを変えたいのなら、まずは自分のボイスに耳を傾け、自分が変わる必要がある。
 ボイスに従う人の行動は、周囲の模範となる。だから、周りはいつの間にかその人についてくる。やがて、リーダーとして信頼を集めるようになるのだ。
 コヴィーにとってリーダーシップの本質は「模範を示すこと」。リーダーが模範として振る舞い、方向性を示すことで、組織は団結する。仲間はリーダーに感化され、高いモチベーションで取り組む。
 肩書きは関係ない。率先して行動することで、上司からの信頼を勝ち取れば、上司をリードすることも可能だ。

 

☆部下を信頼して任せると部下のボイスが覚醒する
 部下や仲間の能力を発揮させたいなら、方向性は示すが方法は任せる、というスタイルがいい。行き過ぎた管理も〝アメとムチ〟のようなテクニックもいらない。
 大切なのは、まず自分が部下を深く信頼すること。そのうえで第8の習慣に裏打ちされた行動で接すれば、部下自身のボイスを刺激する。彼もまた、才能、情熱、ニーズ、良心に目覚め、いつしか自分の使命に気づき、自分のボイスと出会う。こうした波及効果が続けば、チームは使命感にあふれた士気の高い、指示待ち人間がいないプロ集団となる。
 会社で働く人には、知識はあるが、仕事は言われるがまま、という人も多い。彼らを奮い立たせ、仕事の楽しさ・やりがいに気づかせよう。そのカギを握るのが、「第8の習慣」なのだ。

 

〝仲間には心からの信頼を態度に表す。それが仲間の眠っていた力を呼び覚ます。〟


5-2.第8の習慣/ボイスを発見する②・・・生まれつき備わった3つの天賦の才を信じる

 

「自分のボイス(内面の声)を発見する能力は、生まれたそのときから私たち一人ひとりに与えられている。・・・偉大さの種が生まれながらにして植え付けられているのだ」   -「ボイス(内面の声)を発見する」P.74-

 

☆ボイスを発見する能力はすでに持っている
 自分のボイスを発見する能力は、誰でも生まれつき持っている。それがコヴィーのいう3種類の天賦の才だ。これらを呼び覚まし、伸ばせれば、人の能力は限りなく高まっていく。だが、多くの人が眠らせたままにしている。
 そのまず1つ目は、「選択する自由と能力」。人は、自分で行動を選択できる。たとえ現在が、過去であるそれまでの受身な生き方の結果であっても、未来を諦める必要はない。未来は、選択によって変えられるからだ。
 2つ目は、「原則(自然の法則)」。物を上に投げれば下に落ちてくるように、世の中には自分の意思ではどうにもならない、普遍的、不変的な事象がある。人もまた、生まれながらにそんな原則の下に生きている。それはある種の天性だ。つまり、この事実を認識して、原則に逆らわずに生きなさい、ということだ。

 

☆3つの天賦の才を大切に育てていこう
 そして3つ目は、「4つのインテリジェンス」。インテリジェンスとは、知能・理解力・知力といった意味だ。コヴィーは、人には4つの知性が生まれつき備わっているというのだ。
 言うまでもなく、この4つは「第7の習慣」で登場した4つにも通じている。4つの側面から、バランスよくインテリジェンスを高めることが大切だ。
 選択する能力、原則、インテリジェンス。これらの才を、大切に育てていくと、人は必ず自分に秘められた可能性に気づき驚く、とコヴィーは言う。そのとき、あなたの〝ボイス〟が語りかける。あなたの生きる道を。あなたの人生は、そこからまぶしく輝き始めるのだ。

 

 

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〝秘められた天性を解き放つことで、ボイスを発見することができる。〟


5-1.第8の習慣/ボイスを発見する①・・・自らの〝声〟がモチベーションを呼ぶ

 

「『第8の習慣』は人間精神の声(ボイス)を呼び覚ます。その声は希望と知性に満ち、本質的に力があり、共通の利益に寄与する無限の可能性を秘めている」   -「苦痛に満ちた現状」P.24ー

 

☆「第7の習慣」に加えられたもうひとつの習慣
 書籍『第7の習慣』が発行されて20年以上経った今、時代はますます複雑になった。この時代には、生き残り、成功し、新しいことをなし、先頭に立って時代をリードしていくために、「7つの習慣」を強化し、さらに人としての「偉大さ」を目指す習慣が必要になる。
 人は、「情熱を持って実行すること」や、「大いなる貢献をすること」で、自身の偉大さが周囲に認められるようになる。そのモチベーションを高める手段が「第8の習慣」だ。

 

☆自分の〝ボイス〟はどこにあるのか
 ITによる情報革命を経て、経済の中心は、専門知識を活用する知識労働者となった。知的で効率的で、よくも悪くも計算高い彼らを奮い立たせ、率いるために必要なのは、人を情熱的に駆り立てる圧倒的な存在感、魅力、カリスマ性だ。
 だから「7つの習慣」の影響力に厚みを与える力を持つ「第8の習慣」が必要なのだ。「第8の習慣」とは、「自分のボイス(内面の声)を発見し、それぞれのボイスを発見するよう人を奮起させること」だ。では、ボイスとは何か。
 人間は、才能(天賦の才、強さ)、情熱(モチベーションを引き出すもの)、ニーズ(自分や世界が必要としているもの)、良心(何が正しいかを確信させてくれる内面の小さな声)を持っている。ボイスとは、その中心にある心の声だ。
 ボイスに従って仕事をすれば、「才能」を生かし、「情熱」を持って取り組める。成果は社会の「ニーズ」に合い、「良心」にもかなう、誇れるものとなる。
 自分の生きる「使命」をもう一度、意識しよう。それに気がつけば、〝ボイス〟が、生きる道をささやきかけてくる。

 

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〝人は誰しもボイスを持っている。生きる使命を見直し、自分のボイスに気づこう。〟


4-6.再び「インサイド・アウト」へ・・・自分で自分の人生は変えられる!

 

「根本的な変化はインサイド・アウトから起こるものであり、応急処置的な個性主義のテクニックで行動や態度といった葉っぱをいじって達成できるものではない」   

         -「再びインサイド・アウト」P.478-

 

☆従来の考え方にこだわってはいけない
 『7つの習慣』を通じてコヴィーが一貫して必要性を訴えているものは、1-7で解説した「インサイド・アウト」という考え方だ。つまり、それまでの経験や知識による偏った見方にこだわらず、ものの見方を変えよということだ。
 「問題は自分の外にある」と考えていては、いつまで経ってもその問題は解決できない。まずは自分自身の内面を変えること。
そして「7つの習慣」を実践すれば、人は成功することができる。
 たとえばあなたが子どもの頃、両親から虐待を受けたとしよう。心理学の研究によると、そうした子どもは将来自分が親になったときに、自分の子どもを虐待してしまう確率が高いという。だが、あなたは主体性がある。子どもを愛する気持ちを強く肯定し、行動すればいい。「虐待されたから虐待する」というのは言い訳に過ぎない。問題を自分の外にあると考えること自体が問題だ。虐待という負の連鎖は、あなたが自分で断ち切ることができるのだ。

 

☆困ったらいつでも原則に立ち返ろう
 「7つの習慣」の実践で到達できる本当のゴールは、自分自身のみならず、家族や友人、仕事の同僚と「ひとつになる」こと。この状態を作り出すには、個々の問題に応急処置的な対応をしてはいけない。常に原則に立ち返ろう。「インサイド・アウト」の考え方に立ち返り、問題を見直すことだ。最初は難しいし、ぎこちなく感じることもあるだろう。だが、この考え方を実践していけば、必ず真の成長の喜びが待っている。
 自分の人生は、そして周りの世界は、自らの意志で変えられる。そう信じて行動しよう。

 

〝「インサイド・アウト」で考えれば、自分の人生の「流れを変える人」になれる。〟


4-5.「7つの習慣」を一体として振り返る・・・「7つの習慣」は相乗効果でより高い成果を生む

 

「良心とは、私たちの心が澄んでいるとき、原則に沿っているかどうかを感知させてくれ、原則に近づかせてくれるために人間に与えられた賜物である」   -「第7の習慣 刃を研ぐ」P.461-

 

☆「7つの習慣」は切り離して考えてはいけない
 前節で4側面をバランスよく磨くことが重要だと述べた。それは、それぞれが深い相互関係にあるからだ。肉体の健康は精神の健康に影響し、精神の健康は社会・情緒の面での安定につながる。
 相乗効果があるという点については、「7つの習慣」それぞれの習慣も同じだ。
 たとえば、主体性を発揮するほど(第1の習慣)、自己のリーダーシップをとる能力が向上し(第2の習慣)、自己管理の土台も強固になる(第3の習慣)。
 自己管理が上手になれば(第3の習慣)、第2の領域の活動である自己の鍛錬にも時間がとれるようになる(第7の習慣)。相手を理解しようとする意識も高まるから(第5の習慣)、Win-Winをもたらす解決方法を見出すことにも長けてくる(第4と第6の習慣)。
 自立に至る習慣(第1、第2、第3の習慣)を改善すれば、相互依存的な関係を作る能力が増す(第4、第5、第6の習慣)。そして刃を研ぐほど(第7の習慣)、他の6つの習慣すべてを高いレベルにまで引き上げることができるだけだ。
 目指すべきは、「7つの習慣」を通じた自分自身のリニューアル。それは、らせん状の好循環で自分が高まっていくイメージである。

 

☆「良心」を意識してらせん状の成長を目指す
 ただし、この循環に乗って成長を遂げるためには、「良心」を忘れてはいけない。自分は正しいことをしているか、道を誤っていないか。それを常に感知してくれる「良心」の声を意識しながら、より高い次元で「決意」「実行」「学び」を繰り返すことでしか、成長はできないのだ。

 

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【第7の習慣をモノにするためには?】
・自分の健康状態を良好に保つために、継続できる活動をリストアップし、計画を立てる
・精神的・知的な活動、改善したい人間関係をリストアップし、今週の目標に取り入れる
・毎週、4つの側面それぞれを磨く活動を決意・実行し、実績を評価する

 

〝「7つの習慣」は全体を通してひとつの流れとなる。関連性を意識して実践しよう。〟


4-4.第7の習慣/「刃を研ぐ」④・・・自分の「刃を研ぐ」ことで周囲の支えにもなれる

 

「ゲーテは次のように教えた。/『現在の姿を見て接すれば、人は現在のままだろう。人のあるべき姿を見て接すれば、あるべき姿に成長していくだろう』」  

                                -「第7の習慣 刃を研ぐ」P.455-

 

☆人に支えられるあなたもまた、人の支えになれる
 人は誰しも、周囲の人に支えられて生きている。落ち込んでいるときに、そばにいてくれた人のおかげで立ち直った経験がある人は多いだろう。それは、その人があなたの可能性を信じ、あなたに対し積極的なイメージを持ち、あなたの主体性を理解し、肯定してくれたからだ。
 ならば、あなた自身も、周囲の人にとってそうした存在になれるはずだ。夫や妻、子ども、同僚、友人など、周囲に人と接するときは、それまでの記憶に縛られてはいけない。常に、会うたびに新しい視点でその人を見よう。その人の新たな可能性を発見し、その存在を生かすことをいつも考えてほしい。

 

☆組織にとっても4つの面を磨くことは重要
 このような人への働きかけをコヴィーは「自己の再新再生(リニューアル)」と呼ぶ。人を支えることで新たな自分の価値に目覚め、より高いレベルで自己を肯定し、自分らしさ、「自分とは何者か」に目覚めるのだ。
 そのためにも、肉体、精神、知性、社会・情緒の4つの面でバランスよく「刃を研ぐ」必要がある。ひとつでも疎かにすれば、他の3つに悪影響が及び、刃を研ぐ行為がムダになってしまう。
 この話は、組織についても同様だ。
 個人でいう肉体、精神、知性、社会・情緒は、組織に当てはめるとそれぞれ「経済的側面」「組織の目的・貢献の意味の発見」「人の才能の開発・活用・評価」「人間関係・利害関係者との関係・従業員の扱い方など」となる。お金を稼ぐことしか考えない組織はいけないし、社員の教育を軽んじる組織もいけない。4つの側面をバランスよく再新再生(リニューアル)させていかなくては、社会に貢献する(=社会を支える)一員にはなれない。

 

 

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〝自分を磨くことで、人の支えになろう。その意識は組織の運営にも役立つ。〟


4-3.第7の習慣/「刃を研ぐ」③・・・社会・情緒の研鑽は他者との関係性で鍛える

 

「この(毎日の私的成功の)習慣こそが、あなたの行なうすべての決断、あなたの持つすべての人間関係、残りのすべての時間、睡眠の深さに至るまで、多大な影響を及ぼすのである」   -「第7の習慣 刃を研ぐ」P.447-

 

☆優れた本を読むことで知性の刃を研ぐ
 学校を卒業すると、多くの人は読書などで身近な仕事や生活に関係しない分野の知識を増やすことをやめ、自分の考えを書くこともしなくなる。これでは、知力は下がってしまう。
 そこで知的能力をどう高めるか。その最適な方法は、とにかく優れた本を読むこと。最初は1ヶ月に1冊でいい。次は2週間に1冊。そして1週間に1冊・・・・と、少しずつペースを上げていく。優れた書物を読むことで、社会に対する理解を深めていくことができる。そのうえで、自らの経験や考えをまとめ、アウトプットする、という意味では、日記をつけることもお勧めだ。
 コヴィーは知性に加え、前節で述べた肉体、精神の刃を研ぐことを、「毎日の私的成功」と呼ぶ。これを身につけることにより、長期にわたって肉体的、精神的、知的に強くなることができるのだ。

 

☆人前でも自分の価値観に忠実に振舞う
 4つ目の「社会・情緒」の研鑽は、自分だけではなく、他者との関係の中で行うという点で、他の3つとは性格が異なる。またこれは、公的成功を目指す第4、第5、第6の習慣のために必要だ。
 公的成功を手に入れるには、自分の内面が安定している必要がある。そのために、人前でも自分の価値観に忠実に振舞うことで、自尊心を高める。これが社会・情緒の面で「刃を研ぐ」ことになる。
 コヴィーは、「有意義で人の役に立つ奉仕も内的な安定性を与える」と言う。仕事も、もちろん奉仕活動のひとつ。人に自分のことをよく思ってもらいたいという気持ちではなく、他の人の生活に良い影響を与えたいという気持ちで向き合うことが大切だ。

 

〝読書習慣で知性を、自分の価値観に忠実に生きることで社会・情緒面を磨こう。〟
 


4-2.第7の習慣/「刃を研ぐ」②・・・肉体を毎日鍛えながら精神を磨き上げる

 

「運動することで得られる最大のメリットは、第1の習慣である主体性という精神的な筋肉を鍛えることだろう」
   -「第7の習慣 刃を研ぐ」P.439-

 

☆運動によるメンテナンスで肉体面の刃を研ぐ
 「身体的側面で刃を研ぐ」とは、どういうことだろうか。これは文字通り、運動によって身体をメンテナンスすることだ。「運動する時間がない」と言う人は多い。だが、それはウソだ。
 健康維持のために必要な運動時間は、1週間にわずか3~6時間とされている。この数時間だけで1週間の残り162~165時間の生産性を上げられるのだ。「運動できない方が時間がもったいない」と考えるほうが健全だろう。
 運動では、次の3つを意識しよう。
 まずは「持久力」。ランニングや水泳などの有酸素系運動で心肺機能を鍛えるのだ。次に「柔軟性」。運動の前後にはストレッチを取り入れて筋肉の柔軟性を高めよう。そして「強さ」。これはいわゆる「筋トレ」だ。自宅でやるなら、腹筋や背筋、腕立て伏せなどでいいだろう。
 プロのアスリートでない限り、筋トレは有酸素系運動とストレッチの合間に少し取り入れる程度で十分だ。

 

☆精神面の刃を研ぐには価値観と向き合うこと
 次に、「精神面的側面で刃を研ぐ」の意味について考えよう。第2の習慣で行う自分への反省とも深く関係している。
 これは心を穏やかにして、自らの価値観を深く見つめる、という営みを指す。文字や音楽に触れてもいいし、海や山など、自然の中に身を置いてもいい。自分の心と向き合う時間を大切にしよう。
 キリスト教の改革者マルチン・ルターには、こんな言葉がある。「今日はすべきことが余りにも多いから、1時間ほど余分に祈りの時間をとらなければならない」。精神も肉体と同様、忙しければ忙しいほど、磨き上げる時間を確保する必要があるのだ。

 

 

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〝肉体は適度な運動で、精神は自身の価値観と向かい合うことで、『刃』を研ごう。〟


4-1.第7の習慣/「刃を研ぐ」①・・・自分の投資なくして成功はあり得ない

 

「つまるところ、人生に立ち向かうためには、そして貢献するために使える道具は、自分自身しかないのであり、自分の出す業績はすべて、その道具を活用して作り出すものである」   -「第7の習慣 刃を研ぐ」P.434-

 

☆「刃を研ぐ」とは「自分に投資する」こと
 6つの習慣を振り返ってみよう。主体性を発揮する(第1の習慣)、目的を持って始める(第2の習慣)、重要事項を優先する(第3の習慣)、Win-Winを考える(第4の習慣)、理解してから理解される(第5の習慣)、相乗効果を発揮する(第6の習慣)。すべてができている人がいたら、それは素晴らしい人物に思えるかもしれない。

 

☆第7の習慣が成功のカギを握る
 しかし、この人物が、多忙のあまり運動不足で太っていたり、健康状態に不安があったら?頑張っていても、自信が持てず、いつも不安を抱えていたら?読書が苦手で、知識はインターネットで仕入れた表面的なものばかりだったら?
 仕事に追われ、家族とほとんど会話ができない状態だとしたら?それでもこの人は「素晴らしい人物」だろうか。
 自分自身という唯一無二の資源を維持し、高めていくことで、初めて人は成長できる。コヴィーはこのことを「自分も中にある自然から授かった4つの側面<肉体、精神、知性、社会・情緒>のそれぞれを最新再生(リニューアル)させること」と呼んでいる(下図)。これら4つの側面を、忙しい毎日の中、定期的にバランスよく磨き、向上させることが成長には欠かせない、ということだ。
 いくら6つの習慣が身についていても、「刃を研ぐ」ことを怠ると、すべてがムダになる事もある。その点で、第7の習慣は、他の6つの習慣を支える基礎ともいえるのだ。

 

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〝肉体、精神、知性、社会・情緒の4つの面で自分自身を磨き、向上させよう。〟


3-10.「P/PCバランス」という考え方・・・結果を求めるために過程を重視する

 

 あるところに金の卵を産むガチョウがいた。それを手に入れた農夫は大金持ちになったが、やがてガチョウが卵を1日に1つしか産まないことに不満を持ち、卵を一度に手に入れようとしてガチョウを殺して腹を開いてみた。だが、中は空っぽだった。農夫は二度と金の卵を手に入れられなくなってしまった・・・。

 

 コヴィーはこの話を「P/PCバランスを考えていなかったために起こった」という。Pとは、Performance(成果)。つまり望む結果や、目標達成のこと。またPCとは、Performance Capability(成果の能力)。目標達成のための能力やそれを可能にする資源のことだ。

 

 多くの人は、物事の結果を急ぎすぎている。だが、本当は、それを可能にする能力や資源を育てる長い目を持つことが重要だ。そのとき、常に「何のために努力するのか」を考えることが大切だ。だが、結果ばかりに目を奪われると、方法の過ちに気づかない恐れがある。そこで「P/PCバランス」つまり、「P」と「PC」のバランスを常に考える必要があるわけだ。農夫が望む結果を得るには、ガチョウを健康に育てることが大切だったのだ。

 

 目標達成のために「PCを高めるためにはどうすればよいか」を考えると、大抵の場合、もっとも健全で合理的な方法は、結局のところ、自分を高めることに行き着く。
 試合に勝つ、試験に合格する、営業成績を上げる、一戸建てに住む、独立開業・起業する・・・。誰もが、何かの目標を持っている。だが、「結果を出す」という事実にこだわりすぎると、誤った方法に走ったり、後で悔やまれる妥協をしたりすることもある。
 常に、Pに対するPCのバランスを意識して「7つの習慣」を実践して行こう。


 P(目標達成)                              PC(目標達成能力)

今の自分に現実的な目標  ← このバランスを常に意識する → 目標設定のために
を設定する                                        自分を高める


3-9.第6の習慣/相乗効果を発揮する③・・・すべての習慣を積み重ね根気よく人と接する

 

「(あなたは)相手の相違点を尊ぶことができる。誰かがあなたの意見を否定するとき、次のように言える。『よかった。あなたは違う意見を持っている』と。」    -「第6の習慣 相乗効果を発揮する」P.425-

 

☆相手を力で押し返すのではなく相乗効果で解決する
 下の図は「今の自分の状況」がどんな状態かを示したものだ。自分は上向きの成長を望んでいる。だが、成長を抑止する力も働いている。この微妙なバランスが「今の状況」だ。この図は、「今の自分」を高めるには、現状やっていることを、より強く突き詰めるだけではダメ、と示している。
 伸びようとする自分は、常にさまざまな力によって抑えられている。そんな状況でただ強い力で伸び上がろうとしても、その反発を招いて潰されるだけだ。政治の世界で、改革を強く推し進めようとすればするほど、抵抗勢力の強い反発を招くのに似ている。
 そんな状況の改善にこそ、相乗効果の発想だ。第4の習慣のWin-Winを求める姿勢、第5の習慣の相手を理解するスキル、第6の習慣に根ざすコミュニケーションの力。これらを利用して、抑止力との間に相乗効果を生むのだ。

 

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☆どんな環境でも相乗効果を発揮できる
 だがそれは難しい、と思う人もいるだろう。人の批判しかしない同僚。強引に意見や条件を押し付けてくる上司や取引先。人を振り回し、関係の主導権を握りかがる友人。そんな抑止力として働く相手との相違点を尊重する気持ちになるなんて、とんでもない。感情移入なんてもってのほか、と考えるわけだ。
 しかし、たとえ周りの人がどれだけ攻撃的で批判的だろうとも、自分は自分の原則を守り、「7つの習慣」を実践し、自分らしくあるべきだ。自分の人生をどう生きるかは、あなたの問題だからだ。
 どんな相手であっても、違いを尊重し、相乗効果は発揮できる。そう信じて、根気よく人と接するようにしよう。

 

〝自分を抑える相手との相乗効果の道を探ろう。大きな成長が待っている。〟

 

【第6の習慣をものにするには?】
・現在進行中の問題で、自分の意見に固執していないか、異なる意見に価値を見出し、第3案を打ち出せるか考えてみる。
・気に障る人をリストアップし、相違点をプラスに考え、相乗効果を生み出すためにできる行動を考える。
・高いチームワークと相乗効果がほしい状況を想定し、それを行う条件や自分にできることを書き出す。


3-8.第6の習慣/相乗効果を発揮する②・・・コミュニケーション次第で相乗効果は大きくなる!

 

「相乗効果的なコミュニケーションを行えば、一プラス一は八、十六、あるいは千六百にもなる。・・・(当事者は)創造的な活動に参加することを、心から楽しむことになる」    -「第6の習慣 相乗効果を発揮する」P.405-

 

☆コミュニケーションの度合いが相乗効果の大きさを決める
 共同作業の成果は、コミュニケーションの度合いと関係する。
 まず、「防衛的なコミュニケーション」。相手に対する信頼と協力の度合いが低いため、お互いに守りに入り、自分が損しないことだけを考え、問題が起きたときの逃げ道ばかりを考える段階だ。
 次に、「尊敬的なコミュニケーション」。信頼と協力がやや高まり、ある程度の相互理解はなされるが、感情移入には至らず、解決は妥協によってなされる。
 そして、信頼及び協力の度合いが最も高い「相乗効果的なコミュニケーション」。お互いに信頼し合い、協力しようという気持ちが非常に強いので、それぞれの相違点について深く理解し合い、協力して大きな成果を生み出せる。

 

☆相乗効果的なコミュニケーションは新しい「第3案」を生み出す
 このコミュニケーションは、両者の意見を生かした「第3案」をWin-Winで生み出せる。たとえば、子供の教育で意見が割れる夫婦がいたとする。妻は子どもを英語塾に通わせたい。夫は、そのお金で家族旅行をしたい。
 2人の信頼・協力の度合いが低ければ、どちらかが一方的に諦めることになるだろう。少し高ければ、妥協点を見つけられる。塾の代わりに通信教育にして費用を抑え、旅行のお金を蓄える、などだ。
 だが、もし夫婦に深い信頼と協力があれば、「第3案」に到達する。たとえば、思い切って海外移住するという決断だ。英語圏に住めば、英語の習得はほとんどタダ。旅行も家族で楽しめる。
 最後の案は、2人の意見から生まれたWin-Winの相乗効果だ。だが、互いの信頼と協力がなければ、この案は生まれないし、実行する決断も下せない。

 

〝相手を信頼し、協力する意識を持つことが、共同作業に相乗効果を生む。〟


3-7.第6の習慣/相乗効果を発揮する①・・・違う人同士が出会うと新しいものが生まれる

 

「相乗効果こそが、原則中心リーダーシップの本質である。それは人々に内在する大きな力を引き出し、統一し、解放を促す働きをする」
  -「第6の習慣 相乗効果を発揮する」P.391-

 

☆相乗効果は妥協よりもはるかに大きな成果をもたらす
 相乗効果とは、個別のものが合わさることで、その合計より大きな成果が得られること。「相乗効果は人生において最も崇高な活動だ」とコヴィーは言う。相乗効果を生かせば、今まで存在しなかった新しいものを生み出せるからだ。
 下の図を見てみよう。2つの三角形は、AさんとBさんが共同作業を行うイメージだ。このとき一般的には、重なり合う部分を生かす上図の方法が採用される。〝妥協〟である。妥協では1+1は、最大でも2にしかならない。
 今度は、下図のように2つの三角形の外側の辺を伸ばしてみよう。AさんとBさんが能力をそれぞれ発揮し、重ね合わせるイメージだ。すると、より大きな三角形が生まれる。これが相乗効果だ。
 相乗効果が起こると、当初の三角形になかった部分(第3案)が生み出される。これは妥協よりもはるかに大きな成果をもたらすのだ。

 

☆人との違いを認め弱点を相手に敢えてみせる
 だが、力を合わせて何かを作る、というのは難しいものだ。得意分野で力を出せればよいが、苦手分野で「知りませんでした」「間違っていました」とは言いづらい。自分の考え方や能力の限界がバレてしまうのが恥ずかしいからだ。
 だが、弱点を見せるとは、自分と相手は違うと認め、相手の長所から学ぶこと。自分の知識や考え方を大きくレベルアップできる。勇気を出す価値はある。
 相乗効果を生むために、相手の相違点を尊重しよう。人はそれぞれ違う経験をし、違う人生を生きている。考え方や見方は違って当然。人は皆、自分の視点で世界を見て、考えているのだ。

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〝相手との違いを尊重し、相手の長所に学びながら力を合わせよう。〟


3-6.第5の習慣/理解してから理解される③・・・信頼と協調性があれば人から理解される!

 

「問題が起こる前に、評価したり処方したりする前に、自分の考えを打ち出そうとする前に、まず理解しようとする。それが相互依存の強力な習慣なのである」  

                     -「第5の習慣 理解してから理解される」P.388-

 

☆理解してもらえるかどうかは「日頃の行い」次第
 自分を理解してもらうには、「いかに理路整然と伝えるか」が大事だと考えている人は多い。
 だが、まずやるべきは、普段の態度や周囲の人への接し方を改めることだ。言動に一貫性がないと思われていたり、他人から嫌われていたりしたら、どんな素晴らしい意見も共感は得られない。オオカミ少年は、いつも嘘をついていたせいで、真実を信じてもらえなかった。
 もし、社内で自分の意見を通したいと思うなら、まず会社での態度を改めよう。普段から上司や同僚とよい人間関係を築いておくことで初めて、正しいことが「正しい」と受け入れられるようになる。

 

☆「相手を理解する」はすぐに練習できる
 結局、自分が理解されるためには、相手にどう寄り添うかが大事なのだ。
 コヴィーは「第5の習慣」は人を相手に練習できる、という。最初は些細な会話で構わない。一対一で話す機会を設け、自叙伝的な聞き方をやめ、前節で紹介したような聞き方を試してみよう。
 もし、誰かとけんかをしていたり、気まずい関係の人がいたら、その人について考えよう。相手の立場で考え、その人の目に自分がどう映っているか、書き出してみるのだ。そして、次にその人と接するときには、感情移入した聞き方を心がけ、自分が書き留めたことがどれくらい当たっているかを確認する。
 実際にやってみると、感情移入して人の話を聞くことは、意外と難しいことが判る。
 だが、長期的に見ればその実りは大きい。相手のことを本当に理解していれば、話が早いし、目と目で解りあう、そういう仲になることもできるのだから。

 

〝自分の話を理解してもらうために、普段の態度や人への接し方を反省しよう。〟

 

【第5の習慣をモノにするには?】
・身近な人に、相手の話を真剣に聞く練習をしたいと伝え、1週間後に気づいたことをことを教えてもらう。
・信頼関係をうまく築けない相手に対し、相手の立場で問題を書き留める。実際に相手の立場を理解しながら聞くよう努め、予測と現実を比較する。
・プレゼンテーションをするとき、相手に感情移入した立場から行ってみる。


3-5.第5の習慣/理解してから理解される②・・・4段階の聞き方で相手の心を開かせる

 

「信頼を築き、相手が本音で話せるような人格の土台の上に、感情移入の傾聴のスキルを積み上げていかなければならない」
  -「第5の習慣 理解してから理解される」P.353-

 

☆自叙伝のようなアドバイスは相手を失望させる
 悩みを相談した相手に対し、「私もそうだったが、こんなふうに乗り越えた。だから君もこうしなよ」と自分語りを始めて、アドバイスしてしまう人は多い。
 このように、人の話を自分の経験で解釈したり、評価しようとしたりする聞き方をコヴィーは「自叙伝的な聞き方」という。自叙伝的な聞き方をする人は、相手の悩みを結局、自分の視点に置き換え、質問し、解決策を提示しようとする。
 だが、そんな自分中心の助言をされて喜ぶ人は少ない。「この人は〝私〟の話を聞いてくれた」とは思えないからだ。

 

☆感情移入しながら相手の心を開く
 相手の心を開かせるには、感情移入しながら聞くことが必要だ。コヴィーが挙げる聞き方のコツを紹介しよう。
第1段階:話の中身(キーワード)を繰り返す。繰り返すために、注意して相手の言葉を聞くようになる。
第2段階:話の中身を自分の言葉に置き換える。「それは会社を辞めたいっていうこと?」のように、要約した合いの手を入れる。これにより、話の内容を考えながら聞くことができる。
第3段階:「つらかったね」など相手の感情を反映した言葉で相槌を打つ。相手が何を言っているかより、どう感じているかに注意して聞けるようになる。
第4段階: 第2、第3段階を同時に行う。自分の言葉に置き換え、感情を反映した言葉で相槌を打つ。ここに至り、相手は心を開き、信頼感が生まれる。
  もちろん、このスキルは、その裏に真心から相手を理解したいという気持ちがなければ意味がない。本当に理解したいという思い、人格、相手との信頼残高があって、初めて聞き方も活きてくるのだ。

 

× 自分の世界を通して相手と話すと・・・・
 (解釈)私は外で遊ぶのが楽しかったから、息子もきっとアウトドアが好き
 (助言)勉強をした方が身のためだよ
 (評価)私も昔は夢を見たけど、それは現実的じゃない
 (探り)学校で先生に叱られたんだって?
○ 相手の身になって話を聞くと・・・・
 1.話の中身を繰り返す 「仕事が嫌なんだ」⇒「仕事が嫌なんだね」
 2.話の中身を自分の言葉で置き換える 「仕事にやる気が出なくて」⇒「そうか、会社に行きたくないんだね」
 3.相手の感情を反映する 「今日は休んでもいいかな」⇒「なんだか疲れているみたいだね」
 4.自分の言葉に置き換えつつ、感情を反映する 「今日は休んでもいいかな」⇒「疲れているようだから、会社に行きたくないんだね」

 

〝話を聞くときは、相手の心を開く。それが相手を理解する、ということ。〟 
 


3-4.第5の習慣/理解してから理解される①・・・「聞き上手」となって相手をまず理解する

 

「『まず相手を理解するように努め、その後で、自分を理解してもらうようにしなさい』・・・この原則が、人間関係における効果的なコミュ二ケーションの鍵なのである」 
  -「第5の習慣 理解してから理解される」P.351-

 

☆相手を理解する努力なしでは自分を理解してもらえない
 結婚して素晴らしい生活が始まると思ったのも束の間、金銭感覚の違いに驚いた、という話はよく聞く。それを愚痴る人は大抵「どんなに言っても、高い買い物ばかりしてムダ使いする。私は節約しているのに」と相手を批判する。
 だが、もしそのズレを直したいなら、批判するより先に、相手の考え方を理解することから始めるべきだ。なぜ相手がお金を使ってしまうのか。相手にとって大事なものは何か。相手の言葉に耳を傾け、相手の目線で世界を見るのだ。ひょっとしたら、99回の節約を見落とし、たった1回の衝動買いを見て、「無駄遣い!」と非難しているかもしれない。

 

☆聞くことは最も重要なコミュニケーションのスキル
 相手を理解するには、コミュニケーションのスキルが重要だ。だが、読む・書く・話す・聞くのうち、聞くことの訓練を受けている人は特に少ない。
 現に、「聞く」態度ひとつをとっても相手に失礼をしている人は多い。無視したり、携帯電話をいじりながら生返事を返したり、「彼とお台場に行ったんだけど」と話題が出るなり、「お台場のあのお店って・・・」などと、自分の話で相手の話の流れを止めてしまったり。
 友人が悩みを打ち明けてきても、「私も同じことがあった」とか「じゃあ、頑張ればいいじゃない」などと、言いたいことを言って、「相談に乗った」と満足している人は多い。だが、それではその人の気持ちを聞いたことにはならない。
 聞く力を磨く。そのための心がけを次に見ていこう。

 

【聞き方の段階】
レベル0[無視する]⇒レベル1[聞くふりをする]⇒レベル2[選択的に聞く=自分の目線と解釈で理解する]⇒レベル3[注意して聞く=興味のあることだからよく聞く]⇒レベル4[感情移入して聞く=自分目線ではなく、相手の目線で話を聞くことで、相手を理解し、Win-Winの関係が築かれる]

 

〝相手の話をしっかり聞く。それだけであなたへの信頼度は大きくアップする。〟


3-3.第4の習慣/Win-Winを考える③・・・他人に〝与える〟人こそもっとも豊かになれる

 

「Win-Winを提唱している一方で、Win-Loseの行動に対する報い(褒章・報酬・称賛・昇格など)が与えられている場合、成功することは稀である」   

                      -「第4の習慣 Win-Winを考える」P.338-

 

☆Win-Winのために「幸せは作り出せる」と信じる
 幸せとは一つの塊であり、誰かが一切れ取ると、自分が損をする。そんな考えを「欠乏マインド」という。他人の成功に対して口では「おめでとう」と言いながら、内心では嫉妬に満ちている人たちは、欠乏マインドの持ち主だ。
 自分の中に欠乏マインドを感じる人は、今日から「豊かさマインド」に切り替えよう。豊かさマインドとは、「全ての人が満足することは可能だ」と考える気持ち。幸せは限られたパイではなく、新しく作り出していける、と考えるのだ。
 Win-WInの実現には、5つの柱が必要だ。豊かさマインドを持つ「人格」、高い信頼残高で得られる良好な「関係」、互いの期待を明確にした「合意」。そして、3つを支える「システム」(しくみ)とWin-Winを求める「プロセス」(過程)だ。

 

☆人間関係を決めるシステムと目標到達までのプロセスを見直す
 学校では「相手を思いやろう」「友だちを大切に」などと教えられるが、実際のクラスは競争に満ちている。教師たちが、試験の点数で子供を評価しているからだ。このシステムが子供たちの人間関係を決めてしまっているのだ。
 クラス全員でWin-Winを手にするには、それに合ったシステムが必要だ。たとえば、全員の合計点数を発表し、その合計を上げるように全員で目標を設定するような方法は有効かもしれない。
 プロセスも重要である。Win-Winという目標に向かって、適切な手順を組み立てるのだ。Win-Winを意識するあまり、結果ばかりに目を向けていると、到達するまでにつまずいてしまう。Win-Winという結果のために、適切なプロセスを丁寧に検討するのも大切だ。

 

〝豊かさマインドを持ち、相手に積極的に与えよう。それがWin-Winをもたらす。〟

 

【第4の習慣をモノにするためには?】
・信頼関係を築くためにするべき、普段の態度や行いをリストアップする
・Win-Winの関係を作るための障害と、相手の望んでいる結果を明確にする
・相互利益を求める相手を思い浮かべ、どうしたら相手を観察・学習できるか考えてみる


3-2.第4の習慣/Win-Winを考える②・・・双方が納得できるやり方が本当の解決策だ

 

「長期においては、両方が勝たなければ、両方の負けになる。だから相互依存の現実においては、Win-Win以外に現実的な方法はないのだ」 

                  -「第4の習慣 Win-Winを考える」P.311-

 

☆人間関係には6つのパターンがある
 Win-Winとは「自分も勝ち、相手も勝つ」こと。それぞれの当事者が欲しい結果を得る関係のことだ。
 他人との関わり方には、6パターンある。Win-Winは、双方に利益をもたらすベストの関係だ。
 だが、特にビジネスの世界では「相手を蹴落として自分が勝つ」というWin-Loseが蔓延している。取引先との関係を「力関係」と言ったり、地位や年収を人と比べたがる発想がそれだ。
 同時に、Lose-Winも蔓延っている。Lose-Winを受け入れる人は、それがWin-Win(ベストの選択肢)だと誤解しているから厄介だ。それは自分の気持ちを押し隠しているに過ぎない。
 Lose-Winをすぐに選ぶ人は、相手に好かれたい思いが強く、それが目的になってしまっている。自分の人生に基準や期待、ビジョンを持ち、そのために行動する勇気が必要だ。

 

☆場合によっては「取引しない」という選択肢もある
 Win-Winが難しい場合、〝No Deal〟、取引しないという選択肢を取ることが理想だ。互いの価値観や目標が明らかに違うなら、無理に取引しない。一方が不満な取引は、長続きしないし、相互に不信を招いて、互いの信頼残高を減らしてしまうからだ。
 Win-Winか、さもなくば、No Deal、そう強い決断を下せる心が必要だ。
 状況によっては、NO Dealの選択が難しいこともあるが、そんな時も、自分がWin-Win以外の取引をしていることを十分に自覚し、Win-Winを目指すよう心がけよう。

 

【人間関係の6つのパターン】
Win-Win・・・自分も相手も勝つ。両者がほしい結果を得る(片方が優勢な案でなく、両者が納得する第3案を発見する)
Win-Lose・・・自分が勝ち、相手が負ける(競争の結果、もしくはエゴを通すことで、自分は満足し、相手は言いなりになる)
Lose-Win・・・自分が負けて、相手が勝つ(競争の結果、相手は満足し、自分は言いなりになる。または衝突を避けて、相手の言いなりになる)
Lose-Lose・・・自分も相手も負ける(相手を負かしたい一心で、自分にもリスクがあり、不利になる行動をとる)
Win・・・自分だけの勝ちを考える(自分の目的だけを考え、他人の不幸や不利、迷惑などに関心がない状態で行動する)
Win-WinまたはNo Deal・・・Win-Winに至らなければ、取引しない(Win-Winを目指したにもかかわらず、双方が納得できない場合は、取引自体をしないという選択を行う)

 

【Win-Winを求める人に必要なもの】
 Win-Winの関係作りには、勇気と思いやりが必要だ。自分のWinを得るには、相手に主張する勇気がいるし、相手にWinを与えるには、相手に譲る思いやりが必要だからだ。

 

〝双方に利益をもたらすWin-Winを求めよう。難しい場合は、No Dealを選ぼう。〟


3-1.第4の習慣/Win-Winを考える①・・・人間関係を充実させる「信頼残高」を増やす

 

「人間関係づくりに最も大切な要素は、私たちが何を言うか、何をするかということではなく、私たちはどういう人間であるかということである」  

 -「相互依存のパラダイム」P.268-

 

☆人間関係には〝基礎体力〟が必要だ
 成功には「私的成功」と「公的成功」がある(1-10)。これによれば、第1、第2、第3の習慣が身についていなければ、第4、第5、第6の習慣は身につかない。
 つまり、第1、第2、第3の習慣は、スポーツでいう基礎体力だ。基礎体力の面で自分を高めることで、初めてその先の〝試合〟で成果が出てくる。
 常人がトップ選手に憧れて、いきなり難しい技にトライしても、まずできない。十分に筋力を高め、体をほぐし、スタミナをつける。日々の基礎体力づくりがあって初めて、高度な動きが可能となる。
 人間関係もこれに似ている。交渉術や会話術を学ぼうとする人は多いが、テクニックにとらわれても人間関係は長続きしない。最初はごまかせても、やがて人間の小ささは見破られてしまうからだ。

 

☆信頼残高の預け入れを増やしていく
 人としての〝基礎体力〟を高めるうえで大切なのは「信頼残高」。相手からの信頼度で変動するあなたの残高だ。
 友人との約束を守ったり、小さな心遣いをしたりすれば、信頼残高は増える。逆に、無礼な振る舞いや、不誠実な態度を取れば、信頼残高は減る。
 会社の同僚に話せない悩みでも、久しぶりに会った高校の友人には話せることがある。旧友との間には、長年築き上げてきた信頼残高が互いにあるからだ。
 人間関係を充実させるには、この信頼残高の預け入れが大切だ。第1、第2、第3の習慣を実践しながら、信頼残高の積み上げも意識しよう。

 

【信頼残高を増やす6つの方法】
①相手の価値観・重視していることを理解する・・・相手は何を基準にして自分を評価し、信頼してくれているのかを知る
②小さな心遣いや礼儀を大切にする・・・無礼な一言で、楽しかった一日が台無しになることも、小さな親切で見直されることもある
③約束を守る・・・人は約束に対して、守られるという期待を抱いている。一度でも破れば、その次は信頼されなくなる
④お互いが期待することを明確にする・・・役割や目的を暗黙の了解にせず、期待していることを、お互いに明らかにする
⑤誠実さを示す・・・相手とだけ良好な関係を築いていても、他の人に対して誠実でない人は信頼されない
⑥過ちは誠意をもって謝る・・・信頼を失う大きな過ちを犯したとき、誠意ある謝罪だと認められる謝り方をする

 

〝人間関係で成功するために、第1、第2、第3の習慣を実践し、信頼残高を高めよう。〟


2-12.第3の習慣/重要事項を優先する④・・・時間が足りないときは人に「任せる」ことも大切

 

「デレゲーションは人や組織の成長を促す最も強力な方法のひとつである」 -「第3の習慣 重要事項を優先する」P.244-

 

☆他の人に任せる「デレゲーション」という方法
 目標達成には、他の人に任せるという方法もある。これをデレゲーション(delegation:委任、委託)という。
 子供に皿洗いをしてもらう。部下に仕事を手伝ってもらう。人に任せることで、自分のエネルギーや時間を他の活動に注ぐことができる。
 ところが、これを嫌がる人は多い。準備が面倒、ちゃんとやっているか気になる。結果が思ったものと程遠い、などの理由からだ。
 だが、こういう人は、単にデレゲーションが下手なだけ。彼らは、手段や手順を指定して相手を管理しようとするから面倒になるのだ。
あれをやれ、これをやれ、できたら知らせろ、と細々指示しては、相手も疲れるし、「結局、任されていない」と感じるからやる気が出ない。

 

☆人に任せるときは「効果」で考える
 デレゲーションをうまくやるには、目標達成のための手段の選択は相手に任せ、結果の責任を問うようにするといい。
 出すべき結果について十分理解し合い、望む結果を明確に文章で伝える。守るべきるルールや利用できる資源があるなら、それも伝える。ルールとは、相手の手段の選択を狭めるものなので、できるだけ緩い方がいい。そして、結果を評価する基準や報酬を設定する、といった具合だ。
 自分で時間を使う場合は「能率」(=方法)を、人に任せる場合は「効果」(=結果)を考えるのがよいマネージメントだ。
 デレゲーションがスムーズにできるようになるには時間がかかる。だが、人を信頼し、時間と忍耐を使うことは、自分のマネージメント力の向上に結びつく。それは最終的に、自分の第2領域の時間を増やすことにつながるのだ。

 

◎上手なデレゲーション・・・相手に目的や結果を意識させ、責任をもたせることで、やる気を出させる
 そのために・・・相手に伝えること
 ①どんな結果を望んでいるか     花に水を与え、枯れないようにしてほしい
 ②ガイドラインやルール       日向の花には多めに、日陰の花には少なめに与える
 ③活用できる資源や金額、技術など  庭の隅にある水道と、ホース、バケツ、ジョウロ、どれを使ってもいい
 ④評価の基準と、評価する人、期限  2日おきに、花が元気かどうか、私とあなたでチェックしよう
 ⑤結果による賞罰、報酬など     花が半月後も元気だったら、おこづかいをアップしよう

×使い走りのデレゲーション・・・作業のみを指図し、報告をさせ、結果の責任を負わせない

 

〝うまく「人に任せる」ことができるようになろう。時間はかかるが、実りは大きい。〟

 

★第3の習慣をものにするには?
 ・生活の中で、緊急性はないが重要な活動を、より多く実行する
 ・役割と目標をはっきりさせた上で、1週間の計画を立てる
 ・人に仕事を任せる方法を考える


2-11.第3の習慣/重要事項を優先する③・・・役割と目標を頭に入れて行動する

 

「第2の領域に集中した生活を営むためには、スケジュールを人のニーズに服従させなければならない。・・・ツールは、その価値観を反映するものでなければならない」     -「第3の習慣 重要事項を優先する」P.231-

 

☆スケジュール表を作る意味を考える
 ここでは、具体的にコヴィー流の計画表の作り方を見ていこう(下図)。
 まず、自分の役割をいくつか定義する。一個人としての役割、父親として、職業人として、友人としての役割などだ。
 次に、個々の役割ごとに1週間の目標を2~3、設定する。それはなるべく第2領域の活動に入る目標にしよう。第2領域は後回しになりがちだからだ。
 そして、この先の1週間で目標を達成する活動をスケジュールに入れる。そのとき、月間や年間の予定表も確認しよう。たとえば、来週に旅行の計画があれば、今週覚える英単語を50語から75語に増やして補う、といった修正ができるからだ。
 スケジュールは、ゆとりを持ち、予想外の事柄に対応できるようにしておこう。空白は問題ない。この予定表には、目標がスケジュール表に明示されているので、空白の時間は重要事項に使うよう、意識できるしくみになっているからだ。

 

☆大切なのは立てた予定をこなすことではない
 1週間の始まりの朝は、まずスケジュール表を確認する。重要事項を優先した生活を送る意識を高めるためだ。
 スケジュール通りにいかないことも、もちろんある。会議が長引いたり、家族のわがままに付き合わされたり・・・・。こんなときは、予定と違うことをもどかしく感じる代わりに、自分の役割と目標を改めて思い描く。優先すべき事項は何かが明らかになれば、そのために今、どんな行動を選択すべきかが見えてくる。
 その結果、スケジュール通りに実行できなかったり、変更せざるを得なくなったりしたとしても、まったく問題はない。なぜならそれは、時間の管理ではなく、重要事項を優先したマネージメントの結果だからだ。

 

7つの習慣

〝重要事項に関する目標を立て、1週間ずつクリアしていこう。〟


2-10.第3の習慣/重要事項を優先する②・・・「緊急でないが重要なこと」のための時間を増やす

 

「一見重要に見える緊急事項に対してノーと言っているのでなければ、もっと基礎的で重要な活動を断って要ることになる」
  -「第3の習慣 重要事項を優先する」P.223-

 

☆「緊急でないが重要なこと」を改めて意識する
 重要事項を管理するためには、下のような図を描き、当てはまる自分の活動を書き出してみよう。緊急度は「すぐに対応を迫られるかどうか」、重要度は「人生の目的や価値観にとって重要かどうか」で判断しよう。
 多くの人は、第1領域の活動に日々とらわれている。だが、この状態に埋もれると、非常に忙しくなる。そして疲れがたまれば、緊急でも重要でもない第4領域に逃げ込みたくなる。結果、仕事では残業続き、帰宅後はテレビの深夜番組にふける日々を送ることになる。
 人生を充実させるには、第2領域にもっと集中することが必要だ。ここには成長に役立つ活動や、将来、第1領域へ入ってくる事柄への準備活動が入るからだ。たとえば、ミッション・ステートメントを考えたり、運動で体力をアップしておけば、仕事で要職を任されても激務に耐えながら、判断力も発揮できる。普段から英語を学んでいれば、急に英語の仕事が来ても、慌てずに済む。

 

☆重要でない活動にかける時間を徐々に減らしていく
 その時間をつくるには、第3領域や第4領域から時間を持ってくることが必要だ(第1領域の活動は無視できない)。
 特に、第3領域の時間を削るには主体性が求められる。この活動は、外部からの働きかけで緊急性が生まれているからだ。主体性がなければ、相手からの働きかけに負けて、時間を奪われてしまう。
 第2領域に集中するために、原則を中心に置く意識を思い出そう。常に成長に必要なことを優先すると、第4領域に入る安楽な時間の過ごし方が減ってくる。もっとも厄介な第3領域についても、誠実にノーと言えるようになるのだ。
  
    【第1領域】緊急で重要なこと(↓減らす)      
     ・締め切りのある仕事               
     ・大事な人との急な約束             
     ・病気や災害           

            【第2領域】緊急でないが重要なこと(↑増やす)
              ・人間関係作り
              ・仕事や勉強の準備や計画
      ・健康維持や自己啓発

     【第3領域】緊急だが重要ではないこと(↓減らす)  
     ・日々の電話や会議、報告書            
     ・重要でないメールへの返信            
     ・突然の来客対応                      
            【第4領域】緊急でも重要でもないこと(↓減らす)
              ・待ち時間
              ・テレビやネットを見続ける 
        ・ダラダラとゲームや携帯電話を使う

〝重要でない活動を主体的に減らし、「第2領域」の時間を増やそう〟
  


2-9.第3の習慣/重要事項を優先する①・・・時間は管理できない!重要事項の順序を決める

 

「時間は管理できるものではない。唯一管理できるのは、自分自身でしかない・・・」
 -「第3の習慣 重要事項を優先する」P.212-

 

☆「時間を管理する」という発想が間違っている
 システム手帳、スマートフォン、時間管理ソフトなど、時間管理の方法は多数ある。自分流を見つけた人も、多くは「もっと良い方法はないか」と思っている。
 人々がそこまで時間管理の方法にこだわるのは、そうして効率的な毎日を送ることで、バランスが取れ、充実した生活を手にいれられると信じているからだ。だがそれは、大きな誤解だ。
 従来の時間管理のツールには、第2の習慣で見たような自分の価値観やビジョンが反映されていない。忙しい毎日のやりくりはできるかしれないが、日々、人生の目的の達成に近づいている、という実感は持てない。どんな時間管理術を駆使しても、「自分の人生をいきている」という充実感は得られないのだ。

 

☆行動の管理は重要事項を優先して行う
 さらに、手帳やスマートフォンで、「時間」を管理していることも問題だ。
 「時間が来たら終了」となるから、大事な作業でも中途半端に終えてしまう心配がある。目に余るほどでなくても、重要事項がいい加減に済まされ、「予定通りだからOK」と見なされかねないのだ。
 逆に、スケジュールに空白があると、その時間帯は「何をしてもいい時間」と勘違いし、つい無駄な過ごし方をしてしまう。「今日の夜は約束がないから」といって、ネットを見ながらダラダラ残業をしてしまったりするのだ。
 時間は管理できない。自分の意思に関わらず、刻々と進んでいくものだからだ。
 では、何を管理すべきか。それは、「重要事項を優先する」という、行動の順序。これを完璧にすることを考えるのが第3の習慣だ。次節でさらに詳しく見ていこう。

 

〝「時間を管理する」発想を捨てる。「重要事項を果たす順序」を管理しよう。〟


2-8.第2の習慣/目的を持って始める④・・・自分の人生の「原則」をキャッチコピーにする

 

「ミッション・ステートメントはあなたの憲法であり、しっかりとしたビジョンと価値観の表現である」
  -「第2の習慣 目的を持って始める」P.180-

 

☆自分の人生の使命をミッション・ステートメントに記す
 ミッションとは使命、ステートメントとは宣言。ミッション・ステートメントを書くとは、自分の人生では何が大切で、自分がどうなりたいかを宣言することだ。
 まずは人生のミッション・ステートメントを作ってみよう。時間をかけてじっくり考えたい。考えがまとまらなければ、中心に置きたい原則をイメージする。正義、誠実、貢献・・・。そんな価値観で行動する自分を想像すれば、「自分はどうありたいか」を言葉にしやすくなる。
 次にその言葉を書き出してみよう。最初は一言でもいい。そこから夫・妻、息子・娘、父親・母親、上司・部下など、さまざまな生活の場面での自分の役割を書き出し、それぞれに目標を設定する。どんな場面でも一貫した振る舞いをする自分のイメージが強くなるはずだ。
 ミッション・ステートメントは、いわば自分の〝憲法〟。日常生活は、この憲法に基づいて行動しよう。年月を経て練り上げていくものだから、定期的に、少なくとも年に1回は、見直して欲しい。
【ミッション・ステートメント】を作り、達成するには・・・
 ①自分の卒業・退職や最期をイメージし、それまでの時間をどう過ごしたいかを考える
 ②現在の生活における自分の役割(夫として、父として、上司として・・・など)を書き出す。そこで何を達成しようとしているのか、目標を決める。
 ③主体的な原則に沿った形で、その目標がどう実現できるかを考える
 ④具体的に行動する。そして定期的にミッション・ステートメントの見直しを図る

 

☆ミッション・ステートメントを家族やサークルで共有する
 ミッション・ステートメントの作成は、家族や組織でもプラスの効果がある。夫婦や家族など、親しい間柄では一時の感情で問題が解決されがちだ。反射的に相手をなじったり、何となく仲直りしてナアナアに終ったり、気分次第で許したり、許さなかったりという具合だ。
 だが、全員で話し合ってミッション・ステートメントを作成すれば、感情任せの衝突は避けられる。理想とする夫婦、家族、組織像があるなら、いつでも皆が立ち返るためのミッション・ステートメントの共有を提案してみよう。

 

《第2の習慣》をものにするには?
 ・自分の最期に、どんな人だったと思われたいか、そう思われるためには何をなすべきかを考える
 ・自分の生活の中心を、原則に置いてみる
 ・身近な問題について、望んでいる結果と必要な行動・手順を書き出してみる
 ・ミッション・ステートメントを作る


 


2-7.第2の習慣/目的を持って始める③・・・迷ったときに立ち返る自分の「原則」を知る

 

「時代を越えた不変的な原則を自分の生活の中心におくことにより、効果的に人生を営むために正確な基礎的なパラダイム・・・を持つことができる」  

             -「第2の習慣 目的を持って始める」P.170-

 

☆生活の中心に置くものにより人の行動は変わってくる
 自分の生活で何を中心に置くか。
 そう聞かれれば、多くの人は家族、お金、仕事、趣味などをイメージするのではないだろうか。そして人の行動は、中心に置くもの(=最優先するもの)の違いで変わってくる。
 たとえば、夏休みに家族と旅行を計画した。けれども、上司から急ぎの仕事をその期間に頼まれてしまった・・・。
 こんなとき、家族を中心に考える人なら、その仕事を断ろうとするだろう。だが、仕事を中心に考える人なら、迷わず引き受ける。お金や所有物が中心なら、報酬の有無や金額で仕事を引き受けるか決める。人はこのように、中心に置いたものに応じて行動を選択する。だから、主体的に生きるには、「自分の中心は何か」を知ることは、非常に重要だ。

 

☆「原則」を中心に持つことでブレない人間になる
 しかし、実際は家族、仕事、お金などから1つだけを選んで中心に置くのは難しい。多くの人はどれでも大切で、バランスを取りながら生活しているからだ。
 だが、そういう状態が長く続くと、自分には本当は何が大事なのかが、あやふやになってくる。ときに仕事をとるけれど、ときに家族をとる。一貫性を欠くような行動は、周囲の信頼を失う。
 中心に置くべきは「原則」だ、とコヴィーはいう。原則とは、「公正であること」「誠実であること」「人に貢献すること」など、自分が大切にしたい強い価値観のこと。この価値観を原則とし、それに照らしてさまざまな状況で行動を選択する。そうすることで、すべての行動に芯が通るのだ。
 あなたの生きる「原則」とは何か。もっとも大切にしたい価値観とは何かを考えてみよう。

 

☆原則を通して、もっともよい解決案を導き出すと・・・・
 ①他人のせいでなく、自分の責任において選んだ結果に納得できる。
 ②この決定がもっとも効果的である(=意義がある)と確信できる。
 ③主体的に選んだ決定が価値観をより高め、自分の人生に有意義な経験を積むことができる。
 ④自分と関係者との将来的な幸福を考えて選択でき、コミュニケーションを通して解決できる。

 

〝世間に流されず、自分らしい充実した人生を生きるために、自分の原則を持て。〟


2-6.第2の習慣/目的を持って始める②・・・自分の人生の目的を見つける3つの力

 

「(私たちは)自分の持っている非効果的な(人生の)脚本や不完全なパラダイムに気がつけば、主体的にその脚本を書き直すことができる。」 

  -「第2の習慣 目的を持って始める」P.136-

 

☆自分の人生を生きるには自覚し、想像し、良心で行動すること
 自分はどんなキャラクターの人物で、いつ、どんなことを成し遂げながら終わりを迎えるのか。そんな人生の筋書きを「人生の脚本」という。本来この脚本は自分で書き上げるべきものだが、それを他人任せにしてしまっている人は多い。
 進学先は親の言うがまま。サークル選びは友人と一緒。就職活動先は人気ランキングから。リストラされれば、型どおりに落ち込むー。そんな人生を「自分の人生」といえるだろうか。
 人は誰でも、自分の人生の脚本を書く3つの力を持っている。①自覚する力、②想像する力、そして、③良心だ。
 自覚することで人は、主体性を向上できる。想像力を使えば、将来の姿をイメージできる。良心があれば、嫌なことがあっても自暴自棄になって一線を踏み外すことはない。3つの力を駆使すれば、自分だけの人生は必ず見つかるのだ。

 

☆「ブレない自分」を手に入れれば向かうべき道は自然と見えてくる
 では、自分の人生の目的を見出すにはどうするか。まずは、生活の中心を考えることだ。第1の習慣で説明した「影響の輪」を思い出そう。輪の中心にいる自分を意識することで、日々の言動にブレがなくなり、人間としての安定性が増す。
 そうすれば、「自分が向かうべき道はどれか」という、方向性を考える意味が出てくる。すると人は、「自分」をより強く自覚するようになり、相手との違いを理解しようとする知恵が生まれてくる。それは、自分らしく振舞う力の源になる。人生のゴールに向かって、着実に進んでいけるようになる。
 「人生の目的」は、未来に目をこらしていても見えてこない。日々の生活を大切にして、ブレない自分を作り上げよう。

 

〝自分だけの人生の目的を見つけるために、日々の生活に軸を持とう〟


2-5.第2の習慣/目的を持って始める①・・・目的を持って始めることが自分を正しい方向へ導く

 

「もし、はしごを掛け違えていれば、一段ずつ昇るごとに間違った場所に早くたどり着くだけである」
   -「第2の習慣 目的を持って始める」P.128-

 

☆人生の目的は何か、今やるべきことは何か
 コヴィーは「すべてのものは2度つくられる」という。物は、まず頭の中でイメージがつくられ(知的創造)、その後、実際に形がつくられる(物的創造)という意味だ。人生にもこの原則は当てはまる。まず、①人生の目的を持ち、どんな人生を送るか、方向性をイメージする。それから、②実際に毎日を生きていく。
 本来、人生とは、この2つの創造によって〝創るもの〟なのだ。
 だが多くの人が、最初の創造を忘れて生き、人生の終わりになって後悔する。そうならないよう、今から自分の最期を創造しておこう。そうすることで、終わりに向かってやるべきこと、今やるべきことが見えてくる。

 

☆自分の人生にリーダーシップを発揮する
 コヴィーは、最初の知的創造に必要なのがリーダーシップであり、第2の物的創造に必要なのがマネージメントだという。
 リーダーシップとは、目的を考え、そこに到達するために「何をなすべきか」を検討して人や自分を導くこと。マネージメントとは、やるべきことをやるために、時間や作業の順序を調整することだ。前者は第2の習慣、後者は第3の習慣に関わる大切な考え方だ。だが、多くの人はマネージメントにはこだわりながら、リーダーシップを忘れている。
 たとえば、娘の習い事を考える親の多くは、時間割に沿って、効率よく娘に学ばせようと考える。だが、親がまずやるべきことは、どんな子に育って欲しいかを考え、そのために親として何をすべきか、と考えることだ。
 マネージメントよりもまず、リーダーシップが大切。目的を掲げ、そこへ自分や人を導いていくイメージを持とう。

 

〝人生の目標は何か。そこに向かって自分を導くリーダーシップを意識しよう。〟


2-4.第1の習慣/主体性を発揮する④・・・自分を変えるために小さなことから始めよう
 
「人生の大きなチャレンジに主体的に対応する力が育成されるのは、日々の平凡な出来事の中にあるのだ」
   -「第1の習慣 主体性を発揮する」P.120-

 

☆主体的になっても相手に期待してはいけない
 「頑張っているのに報われない」「こちらは努力しているのに、相手は何も変わらない」「親切にしたのに、お礼も言わない」-。
 こんな不平を言う人は多い。自分の行動に対しては、人はつい他人や周りに見返りを期待してしまうからだ。
 だが、主体的に行動しても、必ずしも望む結果が得られるわけではない。相手もまた主体的に行動しているわけだから、結果は、自分の思い通りにいくものではない。
 それでも、望む結果を得るためにできるのは、自分で行動することだけ。「なぜその結果を招いたのか」「なぜ望まないけっかとなったのか」を考え、行動に対する結果を検証しながら行動するのだ。自分の行動に間違いがあれば、修正すればいい。そうして根気良く試行錯誤を続けることで、徐々に影響の輪を広げていこう。

 

☆自分との約束を日々果たし誠実さを高める
 コヴィーは、「主体性の本質は、自分自身や人に対してする約束とそれに対する誠実さである」という。つまり、「自分は責任を果たす人間だ」と認識することが、第1の習慣においての基本であり、残りのすべての習慣を行うための最初のステップなのだ。
 誠実さを磨くためには、何か特別なことをする必要はない。小さな約束や目標を果たすことを心がければ十分だ。
 約束とは、毎日朝8時に出勤する、とか、何事も他人のせいにしない、といった小さなものでいい。目標も、英単語を100個覚える、週に2回はジョギングするなど、ありふれていて構わない。それを30日間実際にやってみて、その結果を見てみよう。達成できれば、「自分の誠実さ」への自身がつくはずだ。

《第1の習慣をモノにするためには?》
・自分の弱点を弁護したり、他人のせいにしたりしない
・大きな問題や失敗に直面したとき、「~だからできない」と考えず、どうしたらできるかを考える
・他人の弱点や欠点を批判しない
・愚痴を言う集団の中に入らない
・常に問題解決に貢献しようとする

 

〝誠実さを高めるために、自分との小さな約束を果たすことを繰り返そう。〟


2-3.第1の習慣/主体性を発揮する③・・・自分の「影響の輪」がどこまでかを意識する

 

「私たちには、反応を選択する能力がある。自分の人生をコントロールし、自分のあり方や人格そのものに集中することにより、自分の周りの状況に大きく作用を及ぼすことができる・・・」  

                                          -「第1の習慣 主体性を発揮する」P.115-

 

☆主体性の度合いをイメージする影響の輪
 主体的に行動するために必要なのは、「自分の行動が周りにどんな影響を与えるのか」をきちんと理解することだ。
 そこで役立つ考え方が「関心の輪」と「影響の輪」。関心の輪とは、自分の関心の範囲のこと。影響の輪は関心があるものの中で、自分が直接影響できる範囲のこと。ある事柄が影響の輪に入るかどうかは、立場による。たとえば、一般の人は、特定のプロ野球チームに関心があっても、勝敗に大きな影響は与えられない。だが、監督や選手なら話は別だ。
 当たり前に聞こえるかもしれない。けれども、仕事などになると、自分ではどうにもならないこと(影響の輪の外にあること)に思いわずらっている人が実に多い。これは時間やエネルギーのムダだ。

 

☆影響の輪は自分で広げていける
 ただし、影響の輪は自分で広げていくこともできる。主体的に行動する、つまり、自分で意識して行動を選択し、周囲に働きかけていくことで、自分の影響力が少しずつ大きくなっていくからだ。
 すると、はじめは影響の輪の外にあった事柄も、少しずつ変化を始める。今までコントロールできなかった問題も、やがては解決へ向かわせることが可能となる。
 たとえば、指示通りに働かない部下がいるとする。その部下は今、影響の輪の外にいる。だが、彼に投げかける自分の言葉は、影響の輪の中にある。これを工夫し、少しずつ部下に言い聞かせれば、部下の意識や行動は変わる。影響の輪が部下の方まで広がっていくのだ。
 確かに、天気のようにコントロールできないものもある。だが、仕事・家庭・人間関係などなら、影響の輪は誰でも少しずつ広げていけるのである。
 つまり、影響の輪の外にある事柄に一喜一憂したり、不満を言ったりする人は多いが、それはエネルギーと時間のムダ。笑って受け入れられるよう、自分を変えていく必要がある。それを踏まえて、本当に結果を求めるなら、「自分に何ができるのか」を突き詰めて、影響の輪を少しずつ広げていく意識が大切だ。

 

〝「影響の輪」と「関心の輪」の境界を意識して行動すると、結果は近づいてくる。〟


2-2.第1の習慣/主体性を発揮する②・・・自分のやり方が変われば相手も変わる

 

「主体性を持つということは率先力を発揮するだけではなく、人間として自分の人生に対する責任を取るということである」
    -「第1の習慣 主体性を発揮する」P.86-

 

☆他人や環境のせいにするのは人生の責任を放棄している
 第1の習慣は「主体性を発揮する」。では「主体性」とは何か。コヴィーはこれを「人間として自分の人生に対する責任を取ること」と定義する。自分の人生の主役は自分であり、どんな人生にするのかを決めるのは自分、ということだ。
 だが、嫌なことがあると、すぐ他人のせいにする人は多い。彼らの心にはいつも「悪いのは自分じゃない」という気持ちがある。仕事のミスも、異性に振られるのも、他人のせい、周りのせい。中には星座や血液型のせいにする人もいる。
 だが、そもそも他人や環境を思い通りに変えることはできない。変えられるのはただ一つ、自分自身だけ。なのに彼らは、あたかも他人が思い通りに動かなかったせいで、嫌な目にあったように言う。こういう考え方は、単なる責任の放棄だ。事前に何かできたはずなのに、そのことから目をそむけているのだ。

 

☆作用されるのではなく率先して作用するようにする
 上手くいかないことがあっても、流されて行動するのは良くない。自分自身で取り巻く状況を率先して変えるように意識しよう。それが相手や環境を変えることにつながっていく。
 たとえば、妻の料理に不満を持つ夫がいるとする。食事のたびに「もっとご馳走を出してよ」と言えば、料理は美味しくなるであろうか?むしろ夫は、「自分の行動が妻にどんな影響を及ぼすか」を考えた方がいい。感謝の言葉を述べたり、食事の感想をひと言添えてみたりする。妻がうれしく感じれば、少しずつ料理に手間をかけるようになるはずだ。
 一時的な状況や感情に左右されて行動せず、自分の行動を自分の選択によって決める。その影響で人も結果も変わるのだ。

 

 【主体性がない人の選ぶ言葉】           [主体性を持つには・・・]
・生まれつきだから仕方ない/どうしようもない ⇒ 他の方法・他の材料がないか考えることを選ぶ         
・○○のせいでしなくてはならない/するしかない ⇒ そうすることに決めた/私は○○する、

                               と言い換える
・あなたがもっと優しかったら          ⇒ まず自分が相手を肯定し、優しく接する

 

“変えられるのは自分だけ。自分が変われば人も環境も変わっていく”


2-1.第1の習慣/主体性を発揮する①・・・「なぜ、こうしたか」を自覚する

 

「刺激と反応の間に人間だけに与えられた素晴らしい力が存在している。それが反応を選択する能力なのである」
      -「第1の習慣 主体性を発揮する」P.85-

 

☆「環境が自分をつくった」と考えるのは大きな誤解
 人は、自分の性格や行動の原因を自分の外に求め、決めつけてしまいがちだ。
 たとえば、「上司、妻、住宅環境や経済状況」など、自分を取り巻く環境が自分の行動を決めていると考える人は多い。「いつも両親に怒られて育ったので、自分に自信がない」とか「男兄弟だけで男子校出身だったから女性が苦手」とか、育ちや過去の経験が性格を決めた、という人もいる。「祖父や父は社交的でなかった。だから私も社交的じゃないんだ」などと、血筋を理由にする人もいる。
 確かに人間も動物だから、環境からの刺激に対して、特定の反応をしてしまうことはある。だがその反応を繰り返し、慣れ、当たり前と思ってはダメだ。人間には自覚する、という優れた能力がある。
 自分の人生を生きるためには、まず、環境に流されることをやめよう。

 

☆状況を客観的に見て行動の「選択」を意識する
 たとえば、朝出社したら、自分の机に高級チョコレートが置いてあったとしよう。甘い物が好きな人なら、思わず手を伸ばすかもしれない。だが、もしダイエット中だったらどうだろう。あるいは、遅刻をしてそれどころではなかったら?
 チョコレート(刺激)を見た後の行動(反応)は、当然、変わってくるはずだ。
 つまり、人は本来、自分の状況や方針を踏まえて、与えられた刺激に対する行動を客観的に決めることができる存在なのだ。これが、「自覚」の力である。後節で詳しく説明していくが、これは自分を取り巻く環境に対しても本質的には同じ。
 私たちは自覚して行動を変えることができる。まずそのことを理解しよう。それだけで、毎日の些細な行動に感じられる意義の大きさは変わってくるはずだ。

 

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〝状況に対し、自覚的に行動を選ぶ。それだけで日々の行動の意義が変わる。〟


1-10.人生には「公」と「私」、2つの成功がある

 

「私的成功は必ず公的成功に先立つものであり、種を蒔く前に収穫することができないのと同じように、このプロセスを逆にすることは絶対にできない」   

                    -「人生の扉を開く『7つの習慣』」P.60-

 

☆真の自立を手にすることはそれだけで大きな成功だ
 人間はもともと、生まれたときは誰かに依存した存在である。それが成長するにつれ、自立した存在になる。だが、その「自立」とは名ばかりのことが多い。1-7で解説したように、「アウトサイド・イン」の考え方から抜けきれず、なんでも人のせいにして、周囲の変化を待っている人は、いくら働いて自活していても「自立した人」とはいえない。
 本当の意味での自立に至るには、甘えたい自分を乗り越え、節制し、自制することが必要になってくる。それができたら、とても大きな成功となる。だからコヴィーは真の自立を手に入れることを「私的成功」という。そのために必要な習慣が第1、第2、第3の習慣だ。

 

☆成長した人間は高いレベルでの依存関係を手に入れる
 自立した人間は、周囲によい影響を与えるコミュニケーションができるから、人と関わり、協働し、よいチームワークを持てる。これをコヴィーは「公的成功」と呼ぶ。自立した人間同士は、成熟した大人同士の相互依存の関係を作り、大きな成果を生むことができる。そのために必要なのが第4、第5、第6の習慣だ。
 こうした習慣を通して高めた自分を肉体、精神、知性、社会・情緒の面から磨き上げていくプロセスが第7の習慣だ。
 私的成功を得られていない人が公的成功を得ることはできない。すぐに仕事などで結果が欲しいからといって、自立していない人が第4、第5、第6の習慣から始めても効果は薄い。
 まずは、ブレない自分を作ることが大切だ。


“まずは「私的成功」を目指そう。それが「人生を変える」ための出発点だ”


1-9.「7つの習慣」がもたらすもの・・・精神的に成熟し真の「大人」になる

 

「真の自立を達成することにより、周りの状況に左右されるのではなく、逆に周りの状況に作用を及ぼすことができるようになる」
  -「人生の扉を開く『7つの習慣』」P.58-

 

☆7つの習慣によって真に独立した人間になれる
 「7つの習慣」は、具体的には、次のような習慣のことだ。
・第一の習慣:主体性を発揮する
・第二の習慣:目的を持って始める
・第三の習慣:重要事項を優先する
・第四の習慣:Win-Winを考える
・第五の習慣:理解してから理解される
・第六の習慣:相乗効果を発揮する
・第七の習慣:刃を研ぐ
 これらを行動原理として生活することが、人生を成功させるためには重要だ、とコヴィーは説く。「7つの習慣」を通して得られるのは、一言で言えば、人間の成長である。その人間像を表せば、肉体的、経済的、知的、精神的に自立し、自分のことは自分でやり、自己決定ができる、独立した人間、ということになる。

 

☆依存せずに人と力を合わせる人になれる
 「7つの習慣」を身につけた人物は、何かを決めるとき、人に依存しない。自立した判断をし、行動できる。状況に影響されず、影響を与える側に立つことができる。いつも一貫しているから、周囲から信頼される。一目も二目も置かれる大きな人間に成長できるのだ。
 だが、それだけではない。
 「7つの習慣」を実践する人は、人間関係において、相手のことを思いやり、理解し、力を合わせて大きな成果をあげることもできるようになる。
 現代社会では、「自立」こそが人間として一番重要、と考えられがちだ。だが、幸せな人間関係の中で大きな成果をあげるには、高いレベルで人に頼れる人間性を持つことも大切なのだ。
 「7つの習慣」は、周囲の人とともに成功を分かち合うための習慣なのだ。

 

〝7つの習慣を実践すれば、自立した人格として、周囲を成功に導く人になれる。〟


1-8.「正しさ」を習慣にするために必要なもの・・・新しい習慣は知識、スキル、やる気で身につく

 

「習慣は、知識とスキルとやる気という三つの要素からなっている。・・・生活の中で習慣を確立するためには、この三つの要素がどれも必要である」   

          -「人生の扉を開く『7つの習慣』」P.52-

 

☆行動を習慣にするための3つの要素とは
 「7つの習慣」とは、日々、習慣として実践することで人生を変えていける行動のアドバイスだ。だが、「この行動は重要だ」といわれたからといって、すぐにそれが習慣として身につくわけではない。
 コヴィーによれば、人がある行動を習慣として身につけるには、「知識」(なぜ必要か、何をするか)、「スキル」(どのようにするか)、「やる気」(習慣にしたい、という思い)の3要素が必要だ。
 歯磨きを例に考えてみよう。①「虫歯は印象が悪いし、多くの病気を引き起こす。だから歯磨きが必要」という知識。②「歯ブラシや歯磨き粉の使い方を体得している」というスキル。③「歯磨きはメリットが多いから続ける」というやる気。この3要素があって初めて歯磨きの習慣が形成される。歯磨きをサボってしまう人は、これらのどれかが欠けているのだ。虫歯のつらさを思い出すために症例をインターネットで探したり、正しいブラッシングをおさらいしたりして、欠けている部分を補う工夫が必要になってくる。

 

☆うわべだけをまねても「7つの習慣」は身につかない
 人格を向上させる「7つの習慣」も同様だ。うわべの行動だけをまねても、それを習慣として身につけることはできない。必要性や具体的な行動をしっかりと理解し、心底「やりたい」という気持ちがなければ、その努力は無意味だ。
 たとえば、第5の習慣は、人の話に耳を傾けることの重要性を説く。だが、なぜそれが必要なのかの知識がなければ、「聞く力」は身につかない。正しい「聞き方」(スキル)を持っていなければ、実際に聞くこともできない。
 習慣を身につけるには、知識やスキルを理解するという側面も重要なのだ。

 


1-7.「インサイド・アウト」という考え方・・・自分が変わることでしか環境は変わらない

 

「インサイド・アウト」とは、自分自身の内面(インサイド)を変えることから始めるということであり、自分自身の根本的なパラダイム、人格、動機などを変えることから始めるということである」  -「インサイド・アウト(内から外へ)」P.45-

 

☆環境や他人を直接変えることはできない
 前節では、自分に降りかかる問題を環境や周囲の人のせいにして「問題解決のためには、彼らが変わる必要がある。そのためのテクニックが必要だ」と考えることの問題点について触れた。
 このような考え方を、コヴィーは「アウトサイド・イン(外から内へ)」と呼ぶ。自分の外側(環境・他人)が変わることで、良い結果を得ようとする考え方だ。
 このような考え方をする人は、基本的に他責的で、被害者意識に満ちている。「教え方が悪いから成績が悪い」「上司が馬鹿だから自分も成果が出ない」「周りに見る目がないから、自分の才能が開花しない」という考え方だ。
 自分は変わりたくない。周りが変われば、結果は出るはず。そのために、人を動かすテクニックが欲しいーーー。
 しかし、人や環境を思い通りに変えることなど、誰にもできはしない。現に、あなたはあなたの考えで行動しているはずだ。誰かに思い通りに操られ、行動させられているわけではない。

 

☆自分を変えられるのは自分しかない
 自分を変えられるのは、自分だけだ。いつまでも周囲の変化を待っているだけでは、何も生まれない。
 「教師の教え方が悪い」と愚痴っても、成績が悪くて損をするのは自分だ。自分で勉強してよい点を取れば、その教師は目をかけて、熱心に教えてくれるようになるかもしれない。「上司が自分を正しく評価してくれない」と思うなら、行動し、結果を出し、認めさせるしかない。
 自分が変わることで人が変わり、環境が変わり、良い結果が出る。そういう認識が大切だ。この考え方を「インサイド・アウト」(内から外へ)」という。

   

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〝自分が変わらなければ、周りは変わらない。インサイド・アウトの発想になろう〟


1-6.即効性のある解決を求める考え方こそ「問題」・・・「コツを知りたい」とは成功者は考えない

 

「効率を上げることが、本当に問題の根本的な解決になるのだろうか。より少ない時間でより多くのことを成し遂げるだけで、本当に生活が良くなるだろうか」   

                  -「インサイド・アウト(内から外へ)」P.43-

 

☆表面的な問題解決はより深刻な形で再発する
 仕事でも家庭でも友人関係でも、成功者に学び、助言を求めようとする人は多い。そんな人は、決まって「私は○○で困っています。どうすればいいのですか。コツを教えてくれませんか」と質問する。
 コヴィーに言わせれば、この発想がそもそも間違っている。この質問は「目の前の問題を解決する、手っ取り早い応急処置を教えて欲しい」と言うに等しい。
 アドバイスをくれる人はいるだろう。だが、教えてもらえるのはテクニックに過ぎない。短期的に事態は収まるかもしれないが、根本的な解決にはならない。やがて、より深刻な事態が再発する。
 風邪をひきやすい、という人に症状を抑える薬を与えることは簡単だ。だが、普段から栄養に気をつけたり、体を鍛えたりして風邪をひかない体を作ることこそが、根本的な解決のはずだ。

 

☆人間関係のトラブルは「自分に問題はないか」と問おう
 問題に対して、即効性のある解決策を求める人は、その問題の見方自体が問題だ。そういう人は、相手の行動という見た目の現象にとらわれて、「だから相手が悪い」と考えやすい。
 そんな人は、部下や後輩が思い通りに動かないとき、すぐに相手の能力のせいにする。モチベーションを上げる方法や、システムを変えて効率を上げる方法などを欲しがる。だが、相手は上司・先輩であるその人を尊敬できないから本気になれないのかもしれない。
 人間関係で表面的な、テクニックに頼った問題解決を求める人は、相手の心情を無視し、人を物や道具として見ている。
 問題を解決したいなら、むしろ、「自分に問題はなかっただろうか」と疑おう。これが人格主義に基づく考え方だ。

 

〝表面的な問題にとらわれることこそ問題。「自分に問題はないか」といつも問おう。〟


1-5.成長には「習慣」という過程が必要・・・毎日の少しずつの変化が自分を大きく成長させる

 

「人間の成長過程には、しかるべき順序とプロセスがある。・・・各段階ともそれぞれ大切であり、またそれぞれに時間がかかる。どの段階も飛ばすことはできない」  

              -「インサイド・アウト(内から外へ)」P.35-

 

☆大きく変わるのは誰にとっても難しい
 人間は、誠実、公正、勇気などの原則を中心に生きるべきである。
 これが人格を重視する原則中心のパラダイムだ。こうした資質を持っている人は、職場でも家庭でも、友人関係でも信頼され、頼られ、尊敬されるに違いない。大きな影響力を持ち、大きなことを成し遂げることも可能なはずだ。
 そうわかっても、こうした資質を根っこから身につけようとすることは難しい。友だちや家族とケンカをして、自分がわるかったとわかっていても、素直に頭を下げられない人は多い。自分の非を認めることで、自分を変える第一歩にすることは、プライドが許さないからだ。

 

☆毎日、練習して人格を磨いていこう
 人はすぐには変われない。成長には本来、時間がかかる。そこには、手順を踏んだプロセス(過程)が必要だ。
 テニスやピアノでいきなり難度の高い技術を披露できる人はいない。毎日少しずつ、苦手な部分を練習して克服し、徐々に上達していくのだ。
 自分の人格を高めるときも、「毎日、練習する」という考え方をしてみよう。
 たとえば、友だちや家族に照れくさくてお礼が言えない、という人は、「どうも」から始めてみよう。慣れてきたら「ありがとう」「どうもありがとう」ときちんとお礼を言うようにすればいい。やがてその習慣は、「感謝を表すことは人生を豊かにする」真実を教えてくれるだろう。

 人格の成長について、結果をすぐに求めることはできない。自分の人格の問題点を少しずつ、練習(習慣)を通じて解消していく心構えが必要だ。少しずつ慣れて、その行動が当たり前になれば、それがあなたそのものになる。


〝自分の人格を高めるために、そのための行動を「習慣」にしよう〟

 


1-4.〝パラダイム転換〟を起こせば人生は変わる!

 

「人格主義は、私たちの人生を支配する原則が存在するという基本的な概念に基づいている。・・・人間の生活にも自然の法則があるということだ」 

          -「インサイド・アウト(内から外へ)」P.29-

 

☆誤ったパラダイムに固執するとやがて大きな壁にぶつかる
 パラダイムとは、世の中の事象を解釈するときに基準となる考え方のこと。社会や文化で共有されているものもあれば、個人ごとに獲得しているものもある。
 人は自分の立場でものを見ている。だから、パラダイムがひっくり返ると、世の中の見え方はがらりと変わってくる。同じ出来事に対する解釈も変わる。解釈が変われば、結果が変わる。
 自分のパラダイムにこだわりすぎると、ものごとを自分本位でしか見なくなる。その自分本位(主観)こそが、真実への気づきを遠ざけ、やがては障害となって立ちはだかる。
 
☆「人格を高めること=成功への道」というパラダイムを持とう
 パラダイムは徐々に変わることもあれば、一気に変わることもある。いずれにしても、パラダイムが自分の行動や態度の源である、という認識が重要だ。もし自分が望む人生を歩めていないなら、それはパラダイムに問題がある。
 では、どんなパラダイムを持つべきか。コヴィーは、原則に基づくパラダイムを持つべきだ、という。原則とは、人間の資質において、自然の法則と同じく、国や時代を超えて普遍的な正しさを持ち、誰もがその価値を認めるもの。たとえば、公平さ、誠実、貢献、忍耐、勇気、人間の尊厳などがそれだ。これらを原則として行動する習慣が身につけば、テクニックに頼らなくても、人生は正しい方向に開かれていく。

 

ある訓練艦隊の戦艦が、断片的に霧がかかっている視界の悪い天気の中で、航海をしていた。
暗くなってきたとき、進路上に光が見えた。衝突の危険がある。
「相手の船に対し、信号を出せ。衝突の危険があるため、二十度進路を変更せよ、と」
相手からの信号が返ってきた。
「そちらの方が二十度進路を変えてください」
艦長は再び命令した。
「私は艦長だ。二十度進路を変えるように」
すると、
「こちらは二等兵。そちらの方こそ二十度進路を変えるよう命令する」
と返事が返ってきた。
艦長は怒り出し、
「信号を送れ。こちらは戦艦だ。二十度進路を変えろ」と叫んだ。
点灯する光の信号が返ってきた。
「こちらは灯台である」
艦長は、自分の船の進路を変えた。         

      -「インサイド・アウト(内から外へ)」29Pエピソードより(要約)

 

〝自然の法則のように原則に基づいたパラダイムを持とう〟


1-3.失敗する人の法則、成功する人の法則とは?・・・結果を変えるには物の見方から変える

 

「この『7つの習慣』を本当の意味で理解するには、まず自分たちの持つパラダイムというものを理解し、そしてそのパラダイムを転換させる方法を知らなければならない」     -「インサイド・アウト(内から外へ)」P.15-

 

☆あなたの価値観が悪い結果を引き寄せている場合も
 長年培われた価値観は、ものごとの見方を狭めてしまう。そのせいで成長の機会を逃がしている人は多い。
 たとえば、職場やクラスで不遇な扱いを受けている人が、自分が理解されないことを周囲のせいにして、「本当の自分には実力がある。今、自分がこんな状態なのは、誰もその価値をわかっていないからだ」と考えていたとする。
 こういう人は仕事を頼まれても、相手を見下していたり、「こんな小さな仕事は自分に相応しくない」などと思っていたりして、本気を出さない。当然、成果は出ない。周りはそれをマイナス評価するから、もっと小さな仕事しか任せなくなる。すると本人は「やっぱり誰もわかっていない」と、さらにふてくされる。

 

☆成功の始まりは物の見方を変えること
 これは「See(物の見方)→Do(行動)→Get(結果、得るもの)」の循環が悪い方に繰り返されることで起こっている。物の見方がまずいせいで、行動や結果もまずいものとなる。これがさらに物の見方をまずい方に強化し、行動や結果が悪化する・・・・。この繰り返しだ。
 この「See→Do→Get」の連鎖自体は変わらない。ならば、出発点である「See」を変えるしかない。たとえば、「どんな小さな仕事でも、誠実にやり遂げれば認めてもらえる」そう思って行動した人は、その仕事で認められ、少し大きな仕事を任されるようになる。
 自分の価値観が大事、というが、そこを根本的に見直す覚悟が必要だ。このような、行動や結果まで影響する物の見方を「パラダイム」という。このパラダイムを成功の法則に向けて転換する考え方である。

 

〝自分のパラダイムが成功を遠ざけているかもしれない、と認識しよう。〟


1-2.「自分の見方は正しいか?」を問う・・・人は物事を自分の見たいように見ている

 

「私たちは世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままに(条件づけされたままに)世界を見ているのだ」
   -『インサイド・アウト(内から外へ)』P.23-

 

☆物事を「あるがままに」見ることはできない
 「物事は客観的に、正確に見て判断するべき」と、言われることがある。だが、ものごとをあるがままに見ることなど、そもそも不可能だ。人が考え、行動する背景には、必ず、文化、歴史、教育、社会通念、個人の経験などが影響しているからだ。人間は、世界を自分で作ったレンズを通して見ているのだ。
 たとえば、積極的に台所に立つ男性を見て、現代的な女性なら「家事に協力的でやさしい」と好印象を持つだろう。だが、「家事は女性の仕事」という保守的な教育や経験を積んできた人なら、その男性を「軟弱だ」と不快に思うかもしれない。そうした印象は、その男性に対する接し方にも影響してきてしまう。

 

☆表面的に人をとらえる考えには限界がある
 別の例を挙げよう。友達に「貸して」と言われても、頑なに人形を手放さない少女がいたとする。その場面だけ見れば、多くの人が「少女はわがままだ」と否定的に評価するだろう。だが、もしその人形が、前日に亡くなった少女の母親の形見だったとしたら?少女の態度への印象はがらりと変わるはずだ。
 人間の行動や態度を表面的に判断するという考え方や物の見方を疑わずにいると、ときに真実とはかけ離れたところに着地してしまう。これが人生だったらどうだろう。いわば、間違った地図を頼りに意気揚々と目的地を目指すようなものだ。だが、地図が間違っていることは、たいていは、地図に示された目的地まで到着しなければならない。人生は後戻りできないのに。
 人間の行動に関する事実は、もっと深いところで考える必要がある。それが「人格」を重視する、という考え方なのだ。

 

〝物事を表面的に判断することは、ときに真実を見えにくくする、と心得よう。〟


1-1.本当の〝成功〟とは何か?・・・物より人格的な豊かさが本当の成功と幸せを呼ぶ

 

「表面的な成功(才能などに対する社会的評価)に恵まれた人の中でも、・・・真の成功(優れた人格を持つこと)を達成していない人もいる」   -『インサイド・アウト(内から外へ)』P.14-

 

☆知識やテクニックで得た成功は長続きしない
 多くの人が「自分の才能で成果を出したい」と願っている。
 だがコヴィーは、そのために成功するイメージの作り方を学んだり、会話・交渉のテクニックや知識を身につけようとしたりするだけでは不十分、という。痛み止めや絆創膏でうわべの症状を覆い隠しているにすぎない。
 樹木を立派に育てたいとき、枝葉の形を整えるだけで、その木は太く、逞しく育つだろうか。表面的な〝立派さ〟は出せるかもしれないが、それを支える根や幹が弱かったら成長できない。〝立派さ〟を維持するには、いつまでも枝葉を刈り続けなければならないし、大きな変化には、負けて、折れてしまう。

 

☆人格を改善することであらゆる局面でうまくいく
 コヴィーは、本当の成功のためには「人格主義」の発想に基づいて自分を変えることが必要だ、という。
 人格主義とは、土壌を育て、水をやり、樹木を根から育てるような発想で自分を成長させる考えだ。そして、誠意、謙虚、勇気、正義、勤勉、節制など、人間として真に価値のある人格を手に入れる。これが全ての成功の前提だという。良い収穫物を得るために、田畑を土壌から育てるのと同じである。
 才能を生かして社会で評価を受け、表面的な成功を手に入れている人は多いが、そういう人は仕事では活躍できても、その他の面でボロが出てしまうことも多い。だが、人間には、仕事以外にも、趣味、結婚、夫婦関係、子育て、友人関係など、様々なライフスタイルがある。自分の人格を育てれば、〝根っこ〟の部分が良質なので、あらゆる場面でよい結果を引き寄せることができるのだ。

 

【うわべのテクニックに目を奪われない。その根となる人格を育てる意識を持とう。】


1-0あなたに足りない「習慣」を見つけよう

 

 まずはこれからの人生の成功確率を「7つの習慣」流チェックリストで確かめてみよう。

 

①常識や「空気を読むこと」を意識しすぎた行動が多い・・・・・・・・・・・・・・□
②思い通りにいかなくていらいらすることが多い・・・・・・・・・・・・・・・・・□
③仕事やトレーニング、家事や買い物など、段取りを考えずに始めることが多い・・・□
④今の自分の仕事や状況に、やりがいや目的を見出せていない・・・・・・・・・・・□
⑤時間がなくて、やりたいことが後回しになっていると感じる・・・・・・・・・・・□
⑥家にいるときは、何となくテレビをつけている・・・・・・・・・・・・・・・・・□
⑦結局、人生は競争で、強者が勝つのが真理だと思う・・・・・・・・・・・・・・・□
⑧成功のためには、誰かを蹴落とすことも仕方がないと思う・・・・・・・・・・・・□
⑨人の話を途中で遮って意見を言ってしまうことが多い・・・・・・・・・・・・・・□
⑩会話が「でも」「だけど」で始まっていることが多い・・・・・・・・・・・・・・□
⑪交渉とは、妥協点を探し、相手の譲歩を引き出す作業のことだと思う・・・・・・・□
⑫考え方やタイプが似ている人といたほうが楽しい・・・・・・・・・・・・・・・・□
⑬マンガは読むが、活字の本は1年で5冊も読めない・・・・・・・・・・・・・・・□
⑭定期的な運動は特にしていない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□

 

《判定》と《解説》は最後にし、今と最後にもう一度確かめた結果を比較してみよう!